山梨県立甲府工業高等学校定時制 > 【専攻科建築科】 【専攻科建築科】 専攻科建築科入試ページはこちらから移動 専攻科建築科とは:建築のプロを目指す、大人のための学び舎 専攻科建築科は、高校既卒者や社会人を対象とした、山梨が全国に誇る建築教育機関です。1970年の設立以来、半世紀以上にわたり地域の建築文化を支えるリーダーを輩出してきました。 「公立・夜間・2年制」であり、かつ修了と同時に「一級・二級建築士の受験資格」が得られる学校は、全国で本課程のみです。(※2026年現在) 日中の実務を理論化・体系化してスキルアップを図りたい現業者、異業種から建築士への挑戦を志す社会人、専門性を深めたいダブルスクールの大学生など、多様な背景を持つ仲間が一つの教室に集い、共に学び、切磋琢磨しています。 教育目標:専攻科建築科のミッション 「建築に関わる基礎知識を体系的に学び、工学的技術を身に付け、建築文化について理解を深め、価値ある生活環境の創出を目指し、地域社会で活躍できる人材を養成する。」 ■アドミッションポリシー(求める学生像) 本校の教育目標を達成するために、高等学校における知識・技能を前提として、特に以下に示す能力や態度・資質を備えた入学者を求めています。 ①建築に対する強い興味を持ち、より豊かな生活環境の実現にむけて問題意識を有している。 ②デザイン力を磨き、コミュニケーション力を高めて、建築分野で創造的役割を果たそうとする意志がある。 ③困難な課題にも粘り強く取り組み、解決に向け試行錯誤を楽しみながら、自ら学ぼうとする主体性がある。 カリキュラム:価値ある生活環境を作るための「思考」と「技術」を磨く これまで、山梨県内には建築系高等教育機関が限られており、建築を志す若者の多くは県外流出を余儀なくされていました。今後一層の建築技術者の減少が見込まれる中で、地域における持続的な建築人材の育成という社会的な要望を受けて、カリキュラムの再構築を行い、本課程は2023年度より、修了後に実務経験0年で一級建築士試験の受験が可能となる認定課程となりました。 ■ラーニングマップ 2年間で40単位の専門科目を凝縮して履修します。座学による知識のインプットと、演習課題によるアウトプットを高密度で繰り返すことで、キャリアの礎となる「デザイン力」と「コミュニケーション力」を養います。 ■グラデュエーションポリシー(修了までに身につける力) ①基礎的知識(知識・理解力) 計画、構造、施工、法規等の基礎知識を理解し、それらを相互に関連付け、課題解決に援用できる知識体系を修得している。 ②汎用的技能(論理・統合力) 建築を「架構」と「意匠」の両面から一体的に捉え、図面や言語を用いて、価値ある生活環境を論理的に構成・提案できる技能を有している。 ③探究的実践(理念・探究力) 建築のプロフェッショナルとしての倫理観を持ち、他者と協働しながら、自ら問いを立て、試行錯誤を繰り返し、地域社会の発展に主体的に寄与できる姿勢を備えている。 修了設計: 2年間の集大成、社会へ踏み出す第一歩 最終年次のメインプロジェクトとなるのが修了設計です。「架構」と「意匠」を一体的に捉えながら、住宅の設計を行い、これからの暮らしのあり方、居心地のよい魅力的な空間、地域に根差した風景を探究します。計画・設計・プレゼンテーションという一連のプロセスを通じ、「クライアントの幸せを創造できるプロフェッショナル」としての第一歩を踏み出します。 R6年度 修了設計作品集 ■修了設計発表会審査委員長メッセージ 「昼間の仕事と、夜間の学び。その全ての経験がプロへの糧になる」 高相 正樹 (山梨県建築士会副会長) 「建築は中身だけでなく、内外の関係性が大切です。学生の皆さんの作品を拝見すると、敷地条件や風土特性を読み取り、意図をもって空間を設計しようとする姿勢が素晴らしい。各人が施主の要望を丹念に読み取りながら、人の流れ、視線の抜け、日当たり、諸室の配置、室と庭との関係性をクリエイティブに提案し、実務レベルで通用するような作品となっています。模型やプレゼンボードも誠実に作り込まれており、学生一人一人の熱い思いが伝わりました。住宅設計といえども、こんな建物があったら周囲に影響を与えて人々の暮らしを豊かにするような、公共的な力をもった提案が印象的でした。専攻科建築科の皆さんは昼間仕事をされて、夕方から学ばれてこれだけのものを作り上げる。この経験の全てが、次のプロフェッショナルにつながっていくと確信しています。」 キャリア支援:地域のネットワークで、次世代のリーダーを育てる 専攻科建築科は、単なる学びの場に留まらず、山梨の建築業界と学生を繋ぐ「キャリアのハブ」としての役割を担っています。 ■地域企業によるバックアップ 「産学連携による持続的な建築人材の育成に関する協定」に基づく協力体制により、企業ガイダンスやインターンシップを実施しています。日中の実務と夜間の学びの最適化を図り、一人ひとりの適性に応じたキャリア形成を支援します。 ■生きた知見に触れる「キャリアセミナー」 地域で活躍する建築士やデザイナー、経営者を講師として招き、最前線の技術や業界の動向を学ぶセミナーを定期開催しています。多様な職業人と対話することで、将来のビジョンを具体化し、自らの専門性を広げる機会を提供します。 ■共に成長し続ける「建築コミュニティ」 専攻科建築科での出会いは、単なる「同級生」に留まりません。半世紀を超える歴史が育んだ卒業生、そして産学連携で繋がる企業とのネットワークは、修了後のキャリアを支える財産となります。 地域の建築文化を支える一員として、社会貢献と自己成長を積み重ねていくための豊かな土壌が、ここにあります。 修了生メッセージ 吉原 凛太郎 R3年度 山梨県立甲府工業高校卒業 R4年度 専攻科建築科入学 R6年度 (株)三浦組入社 R7年度 二級建築士取得 【工業高校卒から入学】 私は甲府工業高校で建築を学びました。高校時代に銀閣寺の模型を作るなかで、もっと建築について勉強したいという思いが強まり、県内での進学先を考えたときに専攻科建築科の存在を知り、入学しました。 ■ 異年齢がフラットに語り合う刺激的な教室 専攻科建築科に入学して、まず驚いたのは学生の年齢層の幅広さです。クラスには10代から50代まで、さまざま経歴をもった方々が居ました。最初はどのように接したらよいか戸惑いがちでしたが、一緒に授業を受け、協力しながら課題に取り組むなかで、建築を志す仲間としての連帯感が生まれるとともに、個性豊かなクラスメイトとの交流を通じて、建築を捉える幅が広がりました。 ■ 施主の未来をデザインする手ごたえ 最も印象に残っている課題は住宅デザイン演習です。毎年行われるこの課題では5日間で住宅設計を行います。1年次で取り組んだ際には、設計の流れについていくだけで精一杯でしたが、2年次では施主の生活様式に合わせたプランを提案でき、自分自身の成長を感じることができました。修了後は建設会社で現場監督としてリアルな建築空間を創り上げるプロセスを極めたいと思っています。 ■ 入学を希望されている方へ 専攻科建築科では2年間という限られた時間のなかで、建築的なものの考え方を身に付けることを目指しているため、座学・実習とも課題は多く、学生に求められる水準も高いです。私自身、働くことと学ぶことの両立は簡単ではありませんでしたが、人生経験豊かなクラスメイトと励まし合いながら乗り越えることができました。他者とコミュニケーションをとりながらデザインする経験は、これから建築技術者を目指す私の原体験となりました。2年間という限られた時間ですが、専攻科での学びを通じてこれまで見えなかった建築の面白さが見えてくるはずです。 荻原 健司 R1年度 東京アニメーションカレッジ専門学校卒業 R4年度 専攻科建築科入学 R6年度 荻原建設入社 【異業種・声優志望から家業・建設会社の継承へ】 東京で声優を目指して舞台活動をしていたのですが、コロナ禍で劇団が解散したのを機に、家業の建設会社の跡を引き継ぐ覚悟をもって、地元の山梨県に戻ることとしました。親方について現場を回っているうちに、きちんと建築の全体像を理解する必要性を痛感して、自宅から通学できる専攻科建築科に入学することにしました。 ■ 知識ゼロから建築のプロを目指す 私には建築に対する知識がほとんどなかったので、入学当初は授業についていくのが精いっぱいでした。専門用語をノートにまとめ直し、始業前に登校して課題に取り組むなど、自分なりに工夫しながら取り組んでいるうちに、クラスメイトや先生方との距離感が近いことを利用して、積極的に質問し、テスト前には勉強会で教え合うことができる関係性をつくることができ、気が付けば建築用語や概念を理解できるようになっていました。 ■ 私の建築の原点となる仲間との学び 最も印象に残っているのは「向こう三軒両隣」を設計せよという課題です。6人1組のグループで思考を組み立て、図面や模型を製作するなかで、クラスメイトの着眼点や構成力に刺激を受けながら、想いをカタチにする楽しさを実感しました。2年間の学びを終えた今だからこそ、一つひとつの課題が相互に関連づけられて知識・技術の習得が効果的に図られていたことが分かります。 ■ 入学を希望されている方へ 専攻科建築科には、既に建築業界で働いている方も、初めて建築を学ぶ方もいます。専門的な授業内容をすんなり理解できる人とのギャップに戸惑うこともあるかもしれません。でも、分からないから学校に来ていると開き直って、仲間や先生方に教えを乞いながら、着実に最後までやり切ること、インプットとアウトプットを繰り返すことで、次第に建築の輪郭が分かってきます。高い志をもった仲間とともに建築と向き合う経験は、これからの人生に大きな影響を与える財産になると思います。 辻 理紗 R2年度 株式会社ウィザースホーム入社 R4年度 専攻科建築科入学 R7年度 二級建築士取得 【働きながら事務職から設計職へ】 私は現在の会社に営業事務として入社しましたが、入社から1年ほど経った頃、設計部門の人員不足を理由に設計課へ異動することになりました。それまで建築を学んだ経験はなく、設計職に携わることも想像していなかったため、実務に必要な知識を身に付けなければならないという思いで、建築を学べる場所や方法を探していました。そんなとき、職場の先輩から専攻科建築科を紹介されました。仕事を続けながら建築を体系的に学べる環境に魅力を感じ、入学を決意しました。 ■ 古代から現代まで「なぜ」がつながる快感 専攻科では、古代ローマの建築理論家ウィトルウィウスが提唱した「強・用・美」をはじめ、建築の基礎から学びました。建築の本質は古代から大きく変わりませんが、現代ではデザイン性、機能性、安全性、耐久性、利便性、省エネルギー性など、より多様な視点が求められています。授業を通して、建築がさまざまな要素によって成り立っていることを理解できました。また、建築史では歴史的背景とともに技術の発展や建築家たちの思想について学び、現代建築がどのように形成されてきたのかを知ることができました。それまで何気なく見ていた建物を多角的な視点で捉えられるようになり、建築の奥深さや面白さを実感するようになりました。 ■ 対話と試行錯誤を重ねて掴んだプレゼン力 修了設計では、クラスメイト同士で施主と設計者の役割を担い合い、住宅設計に取り組みました。ヒアリングから設計提案、図面作成、意匠模型や軸組模型の制作まで、一連のプロセスを自ら行います。施主の想いを丁寧に汲み取り、それを建築として表現・提案する経験は、建築士の仕事の一端を体験できる貴重な機会でした。模型づくりは苦手でしたが、自分の考えを形にして施主へ提案できることにやりがいを感じ、次第に制作そのものを楽しめるようになりました。また、展示パネルや発表スライドの作成を通じて、設計力だけでなく資料作成能力やプレゼンテーション能力も身に付きました。学校での学びが実務にも活かされていることを日々実感しています。修了設計は約半年にわたる長期プロジェクトでしたが、先生方の助言を受けながら試行錯誤を重ね、クラスメイトと励まし合いながら完成までたどり着くことができました。この経験は、私にとってかけがえのない財産となっています。 ■ 入学を希望されている方へ 私は当初、「仕事で必要な知識と資格を効率よく身に付けたい」という思いで入学しました。実際に入学してみると、私と同じように仕事をしながら建築を学ぶ人や、建築を一から学び始める人も多く、「建築初心者は自分だけではない」と安心したことを覚えています。また、クラスメイトの建築に対する情熱や学ぶ意欲に刺激を受ける毎日で、自然と自分自身も前向きに建築と向き合えるようになりました。そのおかげで、仕事と学業の両立という大きな挑戦も乗り越えることができ、2025年度には2級建築士に合格することができました。専攻科建築科の魅力は、年齢や職業の違いを超えた仲間たちとともに学び、互いに刺激を受けながら成長できることだと思います。建築を学びたい、建築に興味がある、仕事に活かしたい、資格を取得したい——きっかけは何でも構いません。学ぶ意欲がある方なら、きっと充実した時間を過ごせるはずです。ぜひ一歩踏み出して、専攻科建築科の門を叩いてみてください。 古屋 渓将 R5年度 山梨大学工学部土木環境工学科卒業 R6年度 専攻科建築科入学 R7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定合格 R8年度 伝匠舎 石川工務所入社 【他分野の大学卒業後に入学】 大学では建築を専攻していたわけではありませんが、以前から建築設計の仕事に強い関心があり、卒業後は本格的に建築を学びたいと考えていました。進学先を調べている中で、偶然テレビで甲府工業高等学校専攻科建築科の紹介を目にしました。学費面での魅力に加え、修了後に実務経験を経て一級建築士の受験資格を得られることにも惹かれ、入学を決意しました。 ■ 大学卒業後だからこそ深く学べる 2年間という修業年限は大学院と同じであり、それに相当する深さで建築を学べる環境が整っていると感じました。大学で建築以外の分野を学んでいたとしても、「やはり建築を学びたい」と考えている方にとって、専攻科は新しい進路の選択肢になると思います。私は土木環境工学科の出身ですが、建築と共通する部分も多く、大学での学びが役立っていると感じました。 ■ 実務と学業がシンクロする充実生活 私は日中、工務店でアルバイトをしながら現場で建築を学び、夜は学校で専門知識を深めていました。建築を学びたいと思っていた私にとって、とても充実した毎日でした。アルバイトという形で時間に柔軟性があったため、課題や制作、資格の勉強に集中できる時間を確保でき、在学中に1級建築施工管理技士第一次検定に合格することができました。学業と実務を無理なく両立できたことは、大きな財産になっています。 ■ 仲間との高め合いと温かい給食 生活面では、夜間中心の生活リズムに慣れるまで苦労しました。また、授業では自分で計画的に学習を進める必要がありました。その一方で、デザイン演習やグループ設計など、専攻科ならではの実践的な学びを数多く経験することができました。現場見学会や研修旅行、キャリアセミナーでは、実際の建築や現場で働く方々の話に触れる機会も多く、学びをより深めることができました。また、学生が自主的に活動している「しゅうまい(毎週住宅をつくる会)」に参加したことも、設計力を高める貴重な経験になりました。給食の時間も印象に残っています。忙しい学校生活の中でほっとできる、小さな楽しみの一つでした。 ■ 入学を希望されている方へ バックグラウンドや志望理由は人それぞれですが、「建築を学びたい」という共通の目標に向かって過ごす2年間は、きっとかけがえのない時間になると思います。専攻科での学びは、知識や技術を身に付けるだけではありません。これから自分がどのように建築に関わっていきたいのかを考える、大切な時間にもなると思います。挑戦するのに遅すぎることはありません。建築に興味がある方、学び直したい方、新しい進路に挑戦したい方は、ぜひ専攻科建築科の門を叩いてみてください。各地で建築に携わっている仲間たちと、いつかまた仕事を通じて交わる日を楽しみにしています。 教育課程(授業科目)・授業時間 令和8年度教育課程 給食 17:00 ~ 17:50 SHR 17:55 ~ 18:00 1校時 18:05 ~ 18:50 2校時 18:55 ~ 19:40 3校時 19:45 ~ 20:30 4校時 20:35 ~ 21:20 対談:知識を知恵に変える、専攻科の学び 和氣 正頼(写真左) ルスカデザイン建築設計事務所 代表 (一級建築士 / 1級建築施工管理技士) 専攻科建築科 修了設計発表会常任審査員 遠藤 政信(写真右) Team Beans 株式会社豆政計 代表 (一級建築士 / 住宅性能評価員) 専攻科建築科 修了設計発表会常任審査員 専攻科建築科では、令和5年度から教育課程の再構築を行い、キャリアセミナーや技術者を招いたワークショップなど、地域社会と連携した教育を進めています。修了設計発表会常任審査員・特別非常勤講師として専攻科建築科の教育に関わっていただいている和氣正頼先生、遠藤政信先生のお二人にお話を伺いました。 【人を幸せにする建築】 和氣 建築というのは、自分も相手も幸せにできる仕事だと思います。自分の仕事を通じて相手を喜ばせる。喜んでいる姿をみて、自分も嬉しくなる。このサイクルを回すことができるのが建築の仕事です。 「大学に行かなければ建築は学べない」という思い込みがあるかもしれませんが、昔の農家の人が自分たちで石積みができたように、身近なところから建築を捉えたほうがいいと思います。もちろん特殊で高度な技術を用いて世界一に挑むという建築もありますが、世の中の大半の建築はそうではありません。目の前の石を自分で割って積むというように、手の届く範囲、目の届く範囲の技術を用いて、「居心地の良さ」や、「普通の豊かさ」とはどのようなものかを探究・実践し続けることが大切だと考えます。 遠藤 構造計画や力学を単体として捉えてしまうと、建築法規を満たすための単純計算に終始してしまいがちです。先ほどの和氣先生のお話のように、「住まい手を幸せにするための構造」という視点に立つことで、意匠設計と構造設計を自然に一体的に捉える感覚を養うことができると思います。また、令和5年度からの新カリキュラム導入により専攻科建築科は一級建築士受験資格認定課程となりましたが、資格試験で問われる知識は、建築を理解するための「入口」に過ぎません。事例紹介や失敗談を語るなかで、教科書と現場のつながりを意識しつつ、建築の楽しさ・面白さを伝えたい。 【アウトプットを前提とした学び】 和氣 実際に自分で建築を設計する立場になってはじめて、相手を喜ばせる建築をつくるためには、開口部の位置や、天井の高さ、強度を保ち空間を支える架構についてなど、個別の知識・技術を学ぶ必要があることに気づきます。ゆえに、個別の要素知識を教えるインプット中心の座学と、状況に応じて柔軟かつ具体的な提案を行うアウトプット中心の演習を適切に組み合わせることが有効になります。 遠藤 たしかに、計画・構造・法規・施工といった建築一般に係る知識を覚えるだけでなく、学んだ知識をいかに活用できるのかが大切ですね。その意味で、1・2年次合同で行う住宅デザイン演習を経て、修了設計に取り組むという課題配置は効果的に機能している実感があります。 和氣 一方ですべての修了生が設計職に就くわけではないですよね。専攻科建築科の教育目標は「価値ある生活環境の創出を目指し、地域社会で活躍できる人材を養成する」と掲げられています。2年間の学びの集大成として修了設計を位置づけている意義を改めて確認しておくことも必要です。 遠藤 専攻科建築科に在籍している方々のなかには、設計職に就かれている方もいらっしゃいますが、施工管理や大工などの技能職、木材加工などの製造担当、企画営業職など多岐にわたっています。それぞれの領域で専門性を発揮してお仕事をされているではないかと思います。ただ、自分のポジションから建築の全体像が見えているかどうかというと、なかなか難しい。どうしてこの形や納まりになるのという設計者の意図を見通せるかどうかで、仕事への向き合い方は大きく変わります。現場監督であっても技能職であっても、建築の全体像を俯瞰できる力をもつことが、「価値ある生活環境を創出できる人材」として活躍するために必要だと思います。 【「学ぶ」と「働く」をつなぐ】 和氣 令和4年度から修了設計の審査に携わっていますが、年々作品レベルが上がってきています。プレゼンテーション技術が向上している一方で、気を付けなければならないのは、模型のスペシャリストや、CADオペレーターを育てるという方向に走らないこと。すぐに役立つスキルの賞味期限は短い。いずれアプリは入れ替わり、模型は3Dプリンターで制作されるようになるかもしれない。大切なのは「相手と向き合うコミュニケーション力と、自ら問いを立て、解決するためのデザイン思考」です。それがあれば、時代とともに道具が変わっても建築の本質を捉えることができます。 遠藤 プロフェッショナルとして熟達していくためには、働きながら学びつづける必要があります。建築の原理・原則を探究する場としての専攻科と、実務・就業の場である企業との間で人材を循環させていく。それが専攻科の果たすべき役割だと思います。そのためには、困ったときにいつでも相談できる仲間や先生の存在が不可欠で、そうした関係性が学びの継続性を支えます。専攻科建築科は、建築を志す人材や情報が集まり高め合う「地域の人材インフラ」としてのポテンシャルを持っています。専攻科教育を通じた「人づくり」が、豊かな暮らしや美しい風景を育む「まちづくり」へとつながっていくと確信しています。 入学者選抜検査 専攻科建築科の入学者選抜検査についてはこちらをご覧ください。 専攻科建築科オープンスクール ●日時 2026年 7月21日(火)18:15-20:30(受付18:00~) ●場所 山梨県立甲府工業高等学校(甲府市塩部2-7-1) ●内容 ・専攻科の教育内容 ・専攻科修了生によるメッセージ ・授業・学校見学 ・個別懇談(希望者のみ) ●参加申し込み 参加申し込みはこちら→ 申込期限7月17日(金) ●パンフレット 専攻科建築科のパンフレット メディアでの紹介 (外部リンク) ・朝日新聞に掲載されました。「20歳から65歳の「建築士の卵」たちが発表会」(令和8年2月23日) ・「やまなしin depth」で取り上げられました(令和5年10月17日) ・「前進!やまなし(山梨放送)」で取り上げられました。(令和5年8月7日放映) (参考)令和8年度学費について 令和8年4月1日現在の実績 専攻科に関するホームページについて
専攻科建築科は、高校既卒者や社会人を対象とした、山梨が全国に誇る建築教育機関です。1970年の設立以来、半世紀以上にわたり地域の建築文化を支えるリーダーを輩出してきました。
「公立・夜間・2年制」であり、かつ修了と同時に「一級・二級建築士の受験資格」が得られる学校は、全国で本課程のみです。(※2026年現在)
「建築に関わる基礎知識を体系的に学び、工学的技術を身に付け、建築文化について理解を深め、価値ある生活環境の創出を目指し、地域社会で活躍できる人材を養成する。」
■アドミッションポリシー(求める学生像)
本校の教育目標を達成するために、高等学校における知識・技能を前提として、特に以下に示す能力や態度・資質を備えた入学者を求めています。
①建築に対する強い興味を持ち、より豊かな生活環境の実現にむけて問題意識を有している。
②デザイン力を磨き、コミュニケーション力を高めて、建築分野で創造的役割を果たそうとする意志がある。
③困難な課題にも粘り強く取り組み、解決に向け試行錯誤を楽しみながら、自ら学ぼうとする主体性がある。
これまで、山梨県内には建築系高等教育機関が限られており、建築を志す若者の多くは県外流出を余儀なくされていました。今後一層の建築技術者の減少が見込まれる中で、地域における持続的な建築人材の育成という社会的な要望を受けて、カリキュラムの再構築を行い、本課程は2023年度より、修了後に実務経験0年で一級建築士試験の受験が可能となる認定課程となりました。
■ラーニングマップ
■グラデュエーションポリシー(修了までに身につける力)
①基礎的知識(知識・理解力)
計画、構造、施工、法規等の基礎知識を理解し、それらを相互に関連付け、課題解決に援用できる知識体系を修得している。
②汎用的技能(論理・統合力)
建築を「架構」と「意匠」の両面から一体的に捉え、図面や言語を用いて、価値ある生活環境を論理的に構成・提案できる技能を有している。
③探究的実践(理念・探究力)
建築のプロフェッショナルとしての倫理観を持ち、他者と協働しながら、自ら問いを立て、試行錯誤を繰り返し、地域社会の発展に主体的に寄与できる姿勢を備えている。
「昼間の仕事と、夜間の学び。その全ての経験がプロへの糧になる」
高相 正樹 (山梨県建築士会副会長)
「建築は中身だけでなく、内外の関係性が大切です。学生の皆さんの作品を拝見すると、敷地条件や風土特性を読み取り、意図をもって空間を設計しようとする姿勢が素晴らしい。各人が施主の要望を丹念に読み取りながら、人の流れ、視線の抜け、日当たり、諸室の配置、室と庭との関係性をクリエイティブに提案し、実務レベルで通用するような作品となっています。模型やプレゼンボードも誠実に作り込まれており、学生一人一人の熱い思いが伝わりました。住宅設計といえども、こんな建物があったら周囲に影響を与えて人々の暮らしを豊かにするような、公共的な力をもった提案が印象的でした。専攻科建築科の皆さんは昼間仕事をされて、夕方から学ばれてこれだけのものを作り上げる。この経験の全てが、次のプロフェッショナルにつながっていくと確信しています。」
専攻科建築科は、単なる学びの場に留まらず、山梨の建築業界と学生を繋ぐ「キャリアのハブ」としての役割を担っています。
■地域企業によるバックアップ
「産学連携による持続的な建築人材の育成に関する協定」に基づく協力体制により、企業ガイダンスやインターンシップを実施しています。日中の実務と夜間の学びの最適化を図り、一人ひとりの適性に応じたキャリア形成を支援します。
■生きた知見に触れる「キャリアセミナー」
地域で活躍する建築士やデザイナー、経営者を講師として招き、最前線の技術や業界の動向を学ぶセミナーを定期開催しています。多様な職業人と対話することで、将来のビジョンを具体化し、自らの専門性を広げる機会を提供します。
■共に成長し続ける「建築コミュニティ」
専攻科建築科での出会いは、単なる「同級生」に留まりません。半世紀を超える歴史が育んだ卒業生、そして産学連携で繋がる企業とのネットワークは、修了後のキャリアを支える財産となります。 地域の建築文化を支える一員として、社会貢献と自己成長を積み重ねていくための豊かな土壌が、ここにあります。
吉原 凛太郎
R3年度 山梨県立甲府工業高校卒業
R4年度 専攻科建築科入学
R6年度 (株)三浦組入社
R7年度 二級建築士取得
【工業高校卒から入学】
私は甲府工業高校で建築を学びました。高校時代に銀閣寺の模型を作るなかで、もっと建築について勉強したいという思いが強まり、県内での進学先を考えたときに専攻科建築科の存在を知り、入学しました。
■ 異年齢がフラットに語り合う刺激的な教室
専攻科建築科に入学して、まず驚いたのは学生の年齢層の幅広さです。クラスには10代から50代まで、さまざま経歴をもった方々が居ました。最初はどのように接したらよいか戸惑いがちでしたが、一緒に授業を受け、協力しながら課題に取り組むなかで、建築を志す仲間としての連帯感が生まれるとともに、個性豊かなクラスメイトとの交流を通じて、建築を捉える幅が広がりました。
■ 施主の未来をデザインする手ごたえ
最も印象に残っている課題は住宅デザイン演習です。毎年行われるこの課題では5日間で住宅設計を行います。1年次で取り組んだ際には、設計の流れについていくだけで精一杯でしたが、2年次では施主の生活様式に合わせたプランを提案でき、自分自身の成長を感じることができました。修了後は建設会社で現場監督としてリアルな建築空間を創り上げるプロセスを極めたいと思っています。
専攻科建築科では2年間という限られた時間のなかで、建築的なものの考え方を身に付けることを目指しているため、座学・実習とも課題は多く、学生に求められる水準も高いです。私自身、働くことと学ぶことの両立は簡単ではありませんでしたが、人生経験豊かなクラスメイトと励まし合いながら乗り越えることができました。他者とコミュニケーションをとりながらデザインする経験は、これから建築技術者を目指す私の原体験となりました。2年間という限られた時間ですが、専攻科での学びを通じてこれまで見えなかった建築の面白さが見えてくるはずです。
荻原 健司
R1年度 東京アニメーションカレッジ専門学校卒業
R4年度 専攻科建築科入学
R6年度 荻原建設入社
東京で声優を目指して舞台活動をしていたのですが、コロナ禍で劇団が解散したのを機に、家業の建設会社の跡を引き継ぐ覚悟をもって、地元の山梨県に戻ることとしました。親方について現場を回っているうちに、きちんと建築の全体像を理解する必要性を痛感して、自宅から通学できる専攻科建築科に入学することにしました。
■ 知識ゼロから建築のプロを目指す
私には建築に対する知識がほとんどなかったので、入学当初は授業についていくのが精いっぱいでした。専門用語をノートにまとめ直し、始業前に登校して課題に取り組むなど、自分なりに工夫しながら取り組んでいるうちに、クラスメイトや先生方との距離感が近いことを利用して、積極的に質問し、テスト前には勉強会で教え合うことができる関係性をつくることができ、気が付けば建築用語や概念を理解できるようになっていました。
■ 私の建築の原点となる仲間との学び
最も印象に残っているのは「向こう三軒両隣」を設計せよという課題です。6人1組のグループで思考を組み立て、図面や模型を製作するなかで、クラスメイトの着眼点や構成力に刺激を受けながら、想いをカタチにする楽しさを実感しました。2年間の学びを終えた今だからこそ、一つひとつの課題が相互に関連づけられて知識・技術の習得が効果的に図られていたことが分かります。
専攻科建築科には、既に建築業界で働いている方も、初めて建築を学ぶ方もいます。専門的な授業内容をすんなり理解できる人とのギャップに戸惑うこともあるかもしれません。でも、分からないから学校に来ていると開き直って、仲間や先生方に教えを乞いながら、着実に最後までやり切ること、インプットとアウトプットを繰り返すことで、次第に建築の輪郭が分かってきます。高い志をもった仲間とともに建築と向き合う経験は、これからの人生に大きな影響を与える財産になると思います。
辻 理紗
R2年度 株式会社ウィザースホーム入社
R4年度 専攻科建築科入学
R7年度 二級建築士取得
私は現在の会社に営業事務として入社しましたが、入社から1年ほど経った頃、設計部門の人員不足を理由に設計課へ異動することになりました。それまで建築を学んだ経験はなく、設計職に携わることも想像していなかったため、実務に必要な知識を身に付けなければならないという思いで、建築を学べる場所や方法を探していました。そんなとき、職場の先輩から専攻科建築科を紹介されました。仕事を続けながら建築を体系的に学べる環境に魅力を感じ、入学を決意しました。
専攻科では、古代ローマの建築理論家ウィトルウィウスが提唱した「強・用・美」をはじめ、建築の基礎から学びました。建築の本質は古代から大きく変わりませんが、現代ではデザイン性、機能性、安全性、耐久性、利便性、省エネルギー性など、より多様な視点が求められています。授業を通して、建築がさまざまな要素によって成り立っていることを理解できました。また、建築史では歴史的背景とともに技術の発展や建築家たちの思想について学び、現代建築がどのように形成されてきたのかを知ることができました。それまで何気なく見ていた建物を多角的な視点で捉えられるようになり、建築の奥深さや面白さを実感するようになりました。
■ 対話と試行錯誤を重ねて掴んだプレゼン力
修了設計では、クラスメイト同士で施主と設計者の役割を担い合い、住宅設計に取り組みました。ヒアリングから設計提案、図面作成、意匠模型や軸組模型の制作まで、一連のプロセスを自ら行います。施主の想いを丁寧に汲み取り、それを建築として表現・提案する経験は、建築士の仕事の一端を体験できる貴重な機会でした。模型づくりは苦手でしたが、自分の考えを形にして施主へ提案できることにやりがいを感じ、次第に制作そのものを楽しめるようになりました。また、展示パネルや発表スライドの作成を通じて、設計力だけでなく資料作成能力やプレゼンテーション能力も身に付きました。学校での学びが実務にも活かされていることを日々実感しています。修了設計は約半年にわたる長期プロジェクトでしたが、先生方の助言を受けながら試行錯誤を重ね、クラスメイトと励まし合いながら完成までたどり着くことができました。この経験は、私にとってかけがえのない財産となっています。
私は当初、「仕事で必要な知識と資格を効率よく身に付けたい」という思いで入学しました。実際に入学してみると、私と同じように仕事をしながら建築を学ぶ人や、建築を一から学び始める人も多く、「建築初心者は自分だけではない」と安心したことを覚えています。また、クラスメイトの建築に対する情熱や学ぶ意欲に刺激を受ける毎日で、自然と自分自身も前向きに建築と向き合えるようになりました。そのおかげで、仕事と学業の両立という大きな挑戦も乗り越えることができ、2025年度には2級建築士に合格することができました。専攻科建築科の魅力は、年齢や職業の違いを超えた仲間たちとともに学び、互いに刺激を受けながら成長できることだと思います。建築を学びたい、建築に興味がある、仕事に活かしたい、資格を取得したい——きっかけは何でも構いません。学ぶ意欲がある方なら、きっと充実した時間を過ごせるはずです。ぜひ一歩踏み出して、専攻科建築科の門を叩いてみてください。
古屋 渓将
R5年度 山梨大学工学部土木環境工学科卒業
R6年度 専攻科建築科入学
R7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定合格
R8年度 伝匠舎 石川工務所入社
大学では建築を専攻していたわけではありませんが、以前から建築設計の仕事に強い関心があり、卒業後は本格的に建築を学びたいと考えていました。進学先を調べている中で、偶然テレビで甲府工業高等学校専攻科建築科の紹介を目にしました。学費面での魅力に加え、修了後に実務経験を経て一級建築士の受験資格を得られることにも惹かれ、入学を決意しました。
2年間という修業年限は大学院と同じであり、それに相当する深さで建築を学べる環境が整っていると感じました。大学で建築以外の分野を学んでいたとしても、「やはり建築を学びたい」と考えている方にとって、専攻科は新しい進路の選択肢になると思います。私は土木環境工学科の出身ですが、建築と共通する部分も多く、大学での学びが役立っていると感じました。
私は日中、工務店でアルバイトをしながら現場で建築を学び、夜は学校で専門知識を深めていました。建築を学びたいと思っていた私にとって、とても充実した毎日でした。アルバイトという形で時間に柔軟性があったため、課題や制作、資格の勉強に集中できる時間を確保でき、在学中に1級建築施工管理技士第一次検定に合格することができました。学業と実務を無理なく両立できたことは、大きな財産になっています。
■ 仲間との高め合いと温かい給食
生活面では、夜間中心の生活リズムに慣れるまで苦労しました。また、授業では自分で計画的に学習を進める必要がありました。その一方で、デザイン演習やグループ設計など、専攻科ならではの実践的な学びを数多く経験することができました。現場見学会や研修旅行、キャリアセミナーでは、実際の建築や現場で働く方々の話に触れる機会も多く、学びをより深めることができました。また、学生が自主的に活動している「しゅうまい(毎週住宅をつくる会)」に参加したことも、設計力を高める貴重な経験になりました。給食の時間も印象に残っています。忙しい学校生活の中でほっとできる、小さな楽しみの一つでした。
バックグラウンドや志望理由は人それぞれですが、「建築を学びたい」という共通の目標に向かって過ごす2年間は、きっとかけがえのない時間になると思います。専攻科での学びは、知識や技術を身に付けるだけではありません。これから自分がどのように建築に関わっていきたいのかを考える、大切な時間にもなると思います。挑戦するのに遅すぎることはありません。建築に興味がある方、学び直したい方、新しい進路に挑戦したい方は、ぜひ専攻科建築科の門を叩いてみてください。各地で建築に携わっている仲間たちと、いつかまた仕事を通じて交わる日を楽しみにしています。
令和8年度教育課程
和氣 正頼(写真左)
ルスカデザイン建築設計事務所 代表
(一級建築士 / 1級建築施工管理技士)
専攻科建築科 修了設計発表会常任審査員
遠藤 政信(写真右)
Team Beans 株式会社豆政計 代表
(一級建築士 / 住宅性能評価員)
専攻科建築科 修了設計発表会常任審査員
専攻科建築科では、令和5年度から教育課程の再構築を行い、キャリアセミナーや技術者を招いたワークショップなど、地域社会と連携した教育を進めています。修了設計発表会常任審査員・特別非常勤講師として専攻科建築科の教育に関わっていただいている和氣正頼先生、遠藤政信先生のお二人にお話を伺いました。
【人を幸せにする建築】
和氣
遠藤
構造計画や力学を単体として捉えてしまうと、建築法規を満たすための単純計算に終始してしまいがちです。先ほどの和氣先生のお話のように、「住まい手を幸せにするための構造」という視点に立つことで、意匠設計と構造設計を自然に一体的に捉える感覚を養うことができると思います。また、令和5年度からの新カリキュラム導入により専攻科建築科は一級建築士受験資格認定課程となりましたが、資格試験で問われる知識は、建築を理解するための「入口」に過ぎません。事例紹介や失敗談を語るなかで、教科書と現場のつながりを意識しつつ、建築の楽しさ・面白さを伝えたい。
【アウトプットを前提とした学び】
遠藤
和氣
一方ですべての修了生が設計職に就くわけではないですよね。専攻科建築科の教育目標は「価値ある生活環境の創出を目指し、地域社会で活躍できる人材を養成する」と掲げられています。2年間の学びの集大成として修了設計を位置づけている意義を改めて確認しておくことも必要です。
遠藤
専攻科建築科に在籍している方々のなかには、設計職に就かれている方もいらっしゃいますが、施工管理や大工などの技能職、木材加工などの製造担当、企画営業職など多岐にわたっています。それぞれの領域で専門性を発揮してお仕事をされているではないかと思います。ただ、自分のポジションから建築の全体像が見えているかどうかというと、なかなか難しい。どうしてこの形や納まりになるのという設計者の意図を見通せるかどうかで、仕事への向き合い方は大きく変わります。現場監督であっても技能職であっても、建築の全体像を俯瞰できる力をもつことが、「価値ある生活環境を創出できる人材」として活躍するために必要だと思います。
【「学ぶ」と「働く」をつなぐ】
和氣
令和4年度から修了設計の審査に携わっていますが、年々作品レベルが上がってきています。プレゼンテーション技術が向上している一方で、気を付けなければならないのは、模型のスペシャリストや、CADオペレーターを育てるという方向に走らないこと。すぐに役立つスキルの賞味期限は短い。いずれアプリは入れ替わり、模型は3Dプリンターで制作されるようになるかもしれない。大切なのは「相手と向き合うコミュニケーション力と、自ら問いを立て、解決するためのデザイン思考」です。それがあれば、時代とともに道具が変わっても建築の本質を捉えることができます。
専攻科建築科の入学者選抜検査についてはこちらをご覧ください。
参加申し込みはこちら→
申込期限7月17日(金)
・朝日新聞に掲載されました。「20歳から65歳の「建築士の卵」たちが発表会」(令和8年2月23日)
・「やまなしin depth」で取り上げられました(令和5年10月17日)
・「前進!やまなし(山梨放送)」で取り上げられました。(令和5年8月7日放映)
令和8年4月1日現在の実績